コンビニの帰り道に「じゅんちゃーん(俺の名)」と声を掛けられて見てみるとおじいさんが立っていた。
「あら!?誰だ」と思ってる俺に「忘れちゃった? よく職安で会ってたOだよ」と言うので、あれ!?「テント屋の時、宿で酔って寝小便して社員に怒られてたあの人か!?」と思ったけど、違かった。
その時は寝小便してた酒癖の悪いSさんって方だと思ったんで「いやー懐かしいですねー」と「はははー」と少し話しただけで別れたけど、その後、そうかそうかとOさんの事をじわじわと思いだして来て、その時そっけなく別れたのが申し訳なくなって来た。OさんはSさんじゃ全然なかった。
Oさんとの思い出というか、俺が日雇いをしてた頃のよく人に話す話があるんですが、かいつまんで話すとこんな話。
解体屋の仕事に行った時、2階建ての民家をショベルカーが瓦屋根ごと壊すのを、その周りで数人で手を休め待ってた時、屋根に突き刺さってたシャベルカーの手の部分、バケットの先が、もう一度屋根を壊すため、空に持ち上がった時、その爪の先に人型の肌色の物がヒラヒラと引っ掛かってた。
それは卑猥なもの、ダッチワイフと呼ばれる物で、そこの主人か息子に天井裏に秘められ隠されてた物だったのでしょう。
思わぬものが出てきたもんで、周りで眺めてた人達が、一斉に喚声を上げて「はははー」と笑ったり「ありゃ、やべーやべー」といつまでもしばらくは社員も日雇いも皆で喜んでた——。数十年前ののんきな思い出。
「それは青空にひらひらといつまでもはためく、俺の瞼の裏に映ってる楽しい光景のひとつなのでした」って閉めて終わる話。
どんなの売ってるのか1日見てみたよ。アマゾンは巨大すぎる。俺は今こんなのがほしいね!