ヨシギノプロ日記

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最高の俺たち

最高の俺たち

採掘場で僕は、暖かい日で空は綺麗なのに十代特有の不安みたいな蟠りのせいで全然青を美しいと思えなかった。目が細くて骨張った顔の「美濃宇久 乖離」という名前の女の子に呼ばれたんだ。顎に沿うように鋭利なショートカットがオーソドックスなセーラー服を際立たせていたし、スマートな身体に良く似合っていた。 別に好き同士じゃないけど、僕らはよく一緒にここに来てアイスを食べながらたわいもない話をしたり、視聴覚室でエアガンのガスを吸って「ゆず」を聴いたり、Zipperを読んだりした。エアガンの

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NEO GEO

NEO GEO

ラジオのモノラルイヤホンを片耳に装着し、テレビを観ながら呑んでいる。話掛けれらないようになのか、重要な情報を聴取しようとしているのかは彼にしか解らない。 喋らないのである。 一見の客に話掛けれらたら、聞こえないふりをし、ダンマリと肴を口へ運び、焼酎のお湯割で流す。常連衆は会釈だけでそっとしておく。 この店「大衆酒場 どんぐり」のママは「GEOちゃん」と呼び大切なお客だと言う。開店当初から50年間通っているそうだ。店を50年続けるのも大したものだが、喋らず通い続けるのも又

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