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ヨシギノプロ日記

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ヨシギノプロの暮らしを書いていくマガジン。
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#エッセイ

店で冬眠したい。

店で冬眠したい。 店の入り口を閉ざして、二月いっぱい店を冬眠状態にしてみようかなと思いついたのは、一週間前。 前からやってみたいと思ってたんだけど、今年の冬は出来るかもしれないと一人店で絵を書いてる時に気づいた。 ムーミン谷の冬眠の様に店で過ごしてみたい。 冬眠と言っても、ずっと寝てるわけでもなく、家賃代や生活費は稼がなきゃいけないが、その点だけクリア出来れば、可能と云えば可能な俺の状態。 自分が幸せな身分だった事に気づいたのでした。 冬眠の間に 絵を沢山描きため

カキ氷にたこ焼機でがんばる。

若く20代から駄菓子屋を二十年近くやってたんで、やめたところで何もない、手に職がない。貯蓄もない。 やめてから気づいたんだけど、駄菓子屋をやってたおかげで人より秀でた事もなく、浦島太郎ほどじゃなくても、世間一般の常識にもそんなに馴染んで来なかった。ただずっと貧乏だっただけだな。金銭感覚も10円からが長年スタートだったんでなんか世間の大人と比べておかしい。 やめたらやめたで儲けなかったからやめたのでしょう、それわかりますわかります、やらなくても私わかりますよと同情されるばか

駄菓子屋のたまり場

溜まり場 (去年、駄菓子屋をやめる前に書いた文章ですが) 子供は溜まり場が好きだ。前の店、銀杏町でやってた頃に一坪位の上がりぶちを店の中に作って、そこを飲食スペースにしてたんだけど、早いもの順と言うか、子供達がそこを取り合って、手に入れた子らが、ここは俺達私達の場所だぞと所有権を獲得した様な顔でブタメンを食べたりカタ抜きをしたりいつまでもクジをめくったり削ったりして陣どってた。1時間2時間三時間と。 土日なんかはひとつのグループが、朝10時に来て閉店の6時までぶっ通しで使

のんきな商売の話

昨日、古くからの友達に絵が売れた。↓この絵 「この焚き火のやつがいいなー」と、うちの店でさっきまでサボってて、今から会社に戻って、家に帰って、部屋を片付けて飾ってくれるそうだ。ありがたい。 たまに絵が売れると、その人が部屋や家をこの絵のせいで多少いじってくれるんだなと毎回思う。申し訳ない様な、せめて部屋や棚を掃除するいいきっかけになってくれればといつも思う。 彼の場合、2000円だと思ってレジに「買うよ」と持って来たんだけど、さっと千円札二枚を綺麗に並べてくれたんだけど